「IRカジノ法案」という言葉を聞いたことはあっても、いったいどういう法案なのかわからないという方も多いでしょう。
IRカジノ法案は、単純に日本にカジノを誘致するためだけの法案ではありません!
また、それは観光だけではなく、オンラインカジノにも大きく影響がありそうですよね?
今回は、IRカジノ法案の説明を通して、カジノ誘致がなぜ重要なのかを見ていきましょう!
カジノ法案って何?
カジノ法案は、正式名称を「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」と言います。
この「特定複合観光施設」というのが、カジノを中心として設営される観光施設を指す言葉です。
日本におけるカジノ法案では、政府によって定められた1つのIR区域に1つだけカジノを設置できるとされています。

カジノの収益がその他の観光施設を運営するためにも重要となってくるということなので、日本は単純に「カジノができるようにしたい」という気持ちでカジノ誘致に踏み切ったわけではないのです。
カジノ法案最大の目的は「観光誘致」!
カジノ法案の目的は、ズバリ「観光誘致」です。日本に、カジノを中心とした大規模な滞在型の観光地をつくることで、経済効果を得ようというものです。
政府管理下の運営とは言っても、カジノ周辺の観光施設については民間事業者に任せられているため、カジノも地域ごとに異なる魅力をもったものになることが期待されています。
「IR」ってどういう意味?
IRという言葉がたびたび出てきていますが、「IRっていったいどういう意味なんだろう?」と思った方も多いはずです。
IRとは、「Integrated Resort」の頭文字をとった略称で、日本語訳すると「統合型リゾート」という意味です。
「観光振興のための施設」と言うと、漠然としていてわかりづらいのですが、ホテルやレストラン、展示場やレク施設などを想像してもらえるとわかりやすいかと思います。

カジノの収益をIR事業全体に還元させることで、IR事業全体も盛り上がり、その上連携もしやすくなるというわけですね。
カジノ法案のメリット
これまでカジノ法案とは何か、IRとは何かをご説明してきました。
ここまでの説明でも、何となくカジノ誘致の利点はわかったという方もいらっしゃるでしょうが、カジノ法案のメリットについて具体的に掘り下げていきます。
カジノ法案のメリットは、大きく3つあります。
- 経済効果
- 就労機会の増加
- 周辺地域の活性化
経済効果
1つ目に挙げた経済効果については、先ほども触れた内容に重なってきますが、カジノを誘致した地域に大規模な観光施設を設置することによって、観光収入を見込めるというメリットがあります。

今はSNSに映える写真が撮れる!というだけでも人は集まってくるので、きっと目にも楽しい施設が創られることでしょう。
就労機会の増加
2つ目のメリットとして挙げた「就労機会の増加」についてですが、観光地に限らず、大規模な商業施設ができると、そこで働く人員を募集することになります。
IRにおいてもそれは同じで、カジノで働く人、ホテルで働く人、アミューズメント施設で働く人、それぞれ必要になってきます。

多くの人に就労の機会を与えられるのも、カジノ法案のメリットの一つとして挙げられるのです。
周辺地域の活性化
3つ目のメリットとして「周辺地域の活性化」を挙げましたが、これについては想像しやすいですよね。
大きな観光施設ができるとその地域自体も雰囲気が明るくなり、それに加えて周辺地域にも観光客が足を運ぶ機会も増えることになるので、それによって経済効果も見込めますよね。

カジノ法案の問題点と対策
カジノ法案にはメリットも多く存在しますが、問題点も存在しています。
- 青少年の健全育成への悪影響
- ギャンブル依存症を助長する
- マネー・ロンダリングの温床となりうる
「日本政府が管理するとは言っても、カジノはギャンブルの一種だし…」という意見は当然出てくることでしょう。これらの問題点についても、カジノ法案の中で議論されています。
青少年の健全育成への悪影響への対策
まず一つ目に、カジノを誘致することによって治安が悪化し、青少年の健全育成に悪影響を及ぼすのではないかという点です。
この「青少年の健全育成」の問題に対しては、カジノに年齢制限を設けることで入場規制を行い、勧誘の制限をかけるなどの対策案が出ています。

ギャンブル依存症を助長することに対する対策
二つ目の「ギャンブル依存症対策」については、入場回数の制限を設け、家族や本人の申告による利用制限措置を取る方針を固めています。
ギャンブルは制限がなく、歯止めが効かなくなるため、どうしても依存してしまうものです。

マネー・ロンダリングの温床となりうることへの対策
三つ目の「マネー・ロンダリング」は、日本語で言うところの「資金洗浄」というものです。
脱税や薬物取引など、犯罪で得たお金の出所をわからなくする行動のことを指します。
カジノはマネー・ロンダリングに利用されやすいため、カジノ誘致にあたって一番の懸念事項とも言えるのです。
マネー・ロンダリングを許してしまうと事業者自身も共犯となってしまいますから、隙のない厳しい対策の実施が予想されるでしょう。
日本のカジノ候補地は一体どこ?
ここまで日本のIRカジノ法案についてお話してきましたが、どこが候補に挙がっているのかわからないという方も居るかと思います。
「大阪・夢洲」では2025年に万博が開催されます。大阪府は万博に合わせてIRも誘致したい意向を示しており、着々と準備を進めていることから最有力候補だとされています。
「神奈川・横浜」は言わずと知れた港町です。政府からの推薦もあり、国内外からの注目も高い神奈川県ですが、地元ではカジノへの反発が強いため、実際にカジノが誘致されるかどうかは際どいところとなっています。
「長崎・ハウステンボス」は、海外からの観光客を呼び込むにはとても良い立地だと言えます。

長崎県にカジノを誘致するためには、それらのIRを超えられるような魅力的な施設を創らなければならないでしょう。
ここまで、日本のIRカジノ法案についてご説明してきました。最後にポイントをおさらいしましょう。
- カジノ法案の目的は「観光誘致」
- カジノ誘致で経済が活性化→地域の活性化につながる
- 日本のカジノは政府がしっかり監視するので安全性が高い
- 日本のカジノ候補地で最有力候補は「大阪夢洲」
「カジノ法案」と聞くと、どうしても反社会勢力のイメージやギャンブル依存症などのマイナスイメージが頭を過るかと思います。
しかし、内容を聞いてみるとしっかりと対策を練っていることがわかりますよね。
カジノ誘致で日本が活気づく、明るい未来が訪れることを期待しましょう。